2010年05月29日

亡き娘のために若き父親がしたこと

 いつも利用している電車では、日経新聞の朝刊か夕刊を読むことにしている。再度出掛けることになったが、朝刊は既に読んでいたので、読みかけの本を持っていくことにした。せっかく持ってはきたものの、読む気になれず目を閉じていた。しばらくして持ってきた本を読もうかと思ったが、別の本を持ってくれば良かったと思った。何の本が良かったのかを考えていたら、『般若心経』を持ってくれば良かった、と思った。

 弟が突然病死して半年が経った夏の暑い日にいつもの電車に乗った。ドアの取っ手のある横長座席の隣に立つことになった。隣に座っていたのは男性で何か本を読んでいた。何を読んでいるのかを見ると、お経の本だった。

 今までお経の本を車内で読んでいる人を見たことがなかった。ページが進み最後のページになって、何故この男性がお経の本を読んでいるのかが分かった。そこには二歳の誕生日を目前に亡くなったお嬢さんの名前と戒名が書かれていた。つい最近、娘を亡くした若い父親が供養のために、一生懸命心の中で読経していたのだ。

 人皆それぞれに色々な思いを抱えながら生きているのだ、ということを改めて思い知らされたのだった。
posted by booknikoniko at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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