2010年03月26日

『遺品整理屋は聞いた! 遺品が語る真実』を読む

 父の七回忌、弟の三回忌の年忌の法要は営まれたものの、殆ど手付かずの状態になっていることがある。遺品整理だ。特に父の遺品は全くの手付かずとなっている。母との話はいつも遺品の整理が中心となるが、全く進んでいない。多分遺品整理を専門に扱っている業者にお願いすることになるのだと思う。

 遺品整理が進まないのは、故人の生活を暴きだしてしまうことが嫌だからではないかと漠然と感じているからだろう。知りたいとは思わないが、片付けているうちに知ってしまうことは分かりきっているからだ。

 一体、遺品整理を専門に扱っている業者は、どんな気持ちでお仕事をされているのかを知りたくて、『遺品整理屋は聞いた! 遺品が語る真実』を手に取った。

 読んでいて一番つらかったのは、「兄の死で初めて明らかになった「悲しい真実」」だった。


 この本で少しばかり気になった箇所を引用させていただきます。

p.54 遺品現場で意外に多いのが、浴槽の中で溺れて亡くなったケースです。
p.54〜55 (ご遺体が)発見されるのに時間がかかった場合、水の色は黒く濁り、表面には腐った味噌汁のような白い膜が張っています。剥がれた皮膚が浮いている場合も多く、手の皮が透明な手袋になってワンタンのように浮いているのを見たときは、私もスタッフも絶句しました。

p.64 日本では毎年、自殺者が三万人を上回っています。自殺によって亡くなったと思われるケースの中で、私たちが一番多く経験するのは縊死(首つり)があった現場です。そのような現場に私たちが到着したときには、遺体だけが運び出されて、鴨居にかけられたロープやベルトなどがそのまま残っていることがよくあります。

p.81〜82 昭和の遺品
 ・大量のトイレットペーパーとティッシュペーパー
 ・贈答品
 ・調味料や缶詰
 ・通販で買った食材など
 ・使い捨てライター
 ・切手
 ・食器
 ・使わなくなった鍵
 ・こけしなど土産ものの人形
 ・乾電池
 ・書籍
 ・客用布団
 ・昔のスーツ類や着物
 ・新聞の切り抜き
 ・紙袋と包装紙
 ・写真

p.104 孤独死の現場には、単に物を大切にする人とは異なる、ある一つの特徴があります。それは、故障したまま放置していたらしき電化製品があまりにも多いということです。

p.106 家電や家具に限らず、人間関係において、そして自分の体についても、時々調整が必要であり、ある一定の幅を超えて、おかしくなったり、不調になったりしたら、そのつど修復していこうとするのが普通でしょう。何事も長い時間がたてば調子がおかしくなったり、部分的に壊れてしまったりします。ところが孤独死の現場を見ていると、故人は物も人間関係も自分の体も、おかしくなればおかしくなったまま、修理しようとせずに、そのままにし続けていたように思えてならないのです。

p.123〜124 親族が立ち会いを一切行わない現場
 ・遠方で現場に行くことができない
 ・何十年も疎遠でいた親族に関わりたくない
 ・孤独死させてしまった罪悪感から、行きたくても行けない
 ・自殺現場だから怖い
 ・死臭がきつくて部屋に近づけない
 ・迷惑をかけられたと思っている
 ・ご近所の方と顔を合わせたくない
 ・身内同士の殺人現場だったから

p.128 遺品の命
 遺品の一つひとつにもし心があるとしたら、それぞれの命が尽きるときには、「故人と一緒に生活できてよかったな、この世の中に存在してよかったな」と思えるようであってほしい。

p.136 遺品を手に取って初めて気づく故人の気持ちや遺族への思いやりは、遺族にとってはたまらなく切なく哀しいものになるかもしれませんが、遺品を確認してあげて形見分けとして引き取ってあげることが、故人に対する最高のご供養になると思います。

p.143 多くの人は自分のために生きることに必死です。しかし、福田さんのお兄さんやお母さんのように、誰かのために自分の生き方を変えることができる人もいるのです。


posted by booknikoniko at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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